営業職の業種【業界別の特徴】

【営業職の業界】営業の代表的な業種を詳しく紹介

営業職は営業する相手によって「個人営業」と「法人営業」の2種類に分けられます。どちらも自社の商品やサービスを売り込み、契約を獲得するのが目的ですが、契約のプロセスや求められる能力に違いがあります。法人営業は企業や団体を相手にするため、商談相手は裁決権を持っていないことが多いです。そのため、ターゲットの絞り込み→アポ・訪問→プレゼン→契約成立というプロセスを経る必要があり、高い論理的思考力やプレゼン能力が求められます。それに対し一般消費者や家庭を相手にする個人営業は、顧客を訪問する点は法人営業と同じですが、商談相手=裁決権者という点が違います。その場で契約してくれることもあり、顧客に寄り添う能力や粘り強さが求められます。

また、営業職が扱う商材は「有形商材」と「無形商材」に分けられます。有形商材とは自動車や住宅、素材、食品など手に取ることができる商材で、顧客にイメージを持ってもらいやすいという特徴があります。一方無形商材とは情報や知識、技術サービスなど目に見えない商材のことで、顧客にイメージを沸かせることが難しいため営業職としての難易度も高めです。

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【業種別の特徴①】人材系の営業職

【業種別の特徴①】人材系の営業職
人材業界には求人広告、新卒採用支援、中途採用支援、人材派遣などのビジネスモデルがあります。営業職は「無形商材×法人営業」が基本で、人材派遣や求人広告の掲載、新卒採用支援といった自社のサービスを、人材を必要としている企業に対して提案するのが主な仕事です。

新規顧客の開拓がメインで飛び込み営業やテレアポが多いため、高い営業力や打たれ強さが求められます。また、採用を検討している顧客とのコミュニケーションが重要であるため、人の面倒をみたり、話を聞いたりすることが好きな人に向いているでしょう。

人材業界の営業職のやりがいは、採用課題を抱えている企業と職を求める人両方の問題を解決できる点です。また、さまざまな職種・業界での経験が役立つため未経験でも活躍しやすいという魅力もあります。

【業種別の特徴②】メーカーの営業職

【業種別の特徴②】メーカーの営業職
メーカーの営業職は自動車や食品、化学素材などの自社製品を売り込むのが主な仕事です。既存営業(ルート営業)か新規顧客開拓かは企業や部署によって異なり、多くの場合は法人営業を行います。

メーカーが商品を売るときには商社を通す場合もありますが、メーカーが直接営業を行う場合、商品1つ1つに深い知識を持って売り込みができるというメリットがあります。そのため、メーカーの営業職は商品に関する深い知識とそれを分かりやすく説明する能力が求められます。また、法人営業かつ既存営業が多いため、ビジネスの場で良好な人間関係を構築していける人が向いていると言えます。さらに、海外営業をすることもあるため英語力を重視している企業も少なくありません。

メーカーにおいて実際に商品を作るのは営業職ではありませんが、顧客の声をダイレクトに聞けるのは営業職です。最前線の情報を入手して会社に提案することで、顧客の要望を反映した商品を作り出せることもあるでしょう。

【業種別の特徴③】インフラ系の営業職

【業種別の特徴③】インフラ系の営業職
インフラ系企業とは鉄道や電力、公共施設の管理など生活や産業に欠かせないサービスを提供する企業です。他の民間企業に比べて経営状態が安定しており、福利厚生や給料も比較的充実しているという特徴があります。インフラ系の営業職は、個人または法人を相手に営業活動を行います。競合が少ないためノルマがほとんどなく、比較的穏やかな環境で働けるでしょう。電力の自由化などにより競争が生まれた業界もありますが、それでも他の民間企業と比べると安定していると言えます。

インフラ系は公共財を扱うため、社会貢献をしたいという人に向いている業界です。よく「地図に残る仕事」と言われるように、自分の仕事が社会の中に残っていくため大きなやりがいを感じられます。しかし、穏やかな社風であることが多いため、競争心の強い人やスピード感を持って仕事をしたい人にはあまり向いないことが多いです。

【業種別の特徴④】IT業界の営業職

【業種別の特徴④】IT業界の営業職
IT業界の営業職は、システムの企画開発やウェブを利用したマーケティング、ウェブサイトの運営など、ITに関わるサービスを提案する仕事です。主に法人を対象とし、商材の内容や契約後のメリットなどを説明し契約に結び付けることを目標に営業活動をします。顧客に対してヒアリングを行い、課題を明らかにしたうえで提案を行うソリューション営業が多く、この場合はシステム導入の進捗管理やアフターフォローを行うこともあります。

IT業界の営業職は、商談相手とのやりとりだけでなく、システムエンジニアやウェブデザイナーなどの専門職ともコミュニケーションを取るため、IT全般に関する知識が必要になります。また、顧客から経営課題を聞き出し最適なサービスを提案するため、物事を論理的に考える力や高いヒアリング能力、コミュニケーション能力も求められます。さらに競合も多いことから、IT系は営業職の中でも比較的難易度が高いと言えるでしょう。

【業種別の特徴⑤】広告・メディア業界の営業職

【業種別の特徴⑤】広告・メディア業界の営業職
広告・メディア業界の営業職は法人営業がメインで、商品やサービスなどの宣伝をしたい企業に対し、テレビや雑誌、ウェブメディアなどの媒体を用いた広告活動のサポートを行います。具体的には、顧客の広報部とコミュニケーションを取りながら、顧客の情報管理や広告企画、スケジュールの管理などを担当します。かつては新聞や雑誌、ラジオといった広告媒体が主流でしたが、近年ではインターネット広告の市場が拡大しているため、営業スキルだけでなくITに関する知識も求められます。

広告・メディア業界の営業職はさまざまな業界・職種の人と関わることができ、常に最新のトレンドに触れられるという魅力があります。また、顧客が大企業の場合、大規模な予算をかけて広告をかけて広告活動を行うため、営業を成功させると大きな利益につながるというやりがいもあります。

【業種別の特徴⑥】住宅・不動産業界の営業職

【業種別の特徴⑥】住宅・不動産業界の営業職
住宅・不動産業界は、主にマンションや家、土地などの不動産を売買したときに仲介手数料を貰い利益を上げる業種です。営業職は不動産の仲介、販売、企画・開発などに分かれます。仲介営業は不動産を貸したい人と借りたい人、売りたい人と借りたい人をつなげる仕事で、販売は自社やグループ会社が所有する不動産を個人顧客に向けて販売する仕事です。企画・開発営業では、大規模なマンションや商業施設、ビルなどを建てる土地を探し、建設の企画や開発を行います。

どの職種も土地や建物に関する知識が必要になるため、マンション管理士や宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を保有しておくことが望ましいでしょう。住宅・不動産業界の営業は営業目標(ノルマ)が厳しかったり飛び込み営業が多かったりとシビアな部分が多いです。しかし、売り上げに応じてインセンティブがある、高価な商材を扱えるなどやりがいを感じるポイントが多い仕事でもあります。

よくある質問

どの業界の営業職にするかを選ぶ際のポイントは?
営業職で業界を選ぶときはまず法人営業なのか個人営業なのか、有形商材なのか無形商材なのかという観点で絞り込みましょう。法人営業では契約によるメリットを論理的に説明するプレゼン能力や資料作成スキルが求められます。それに対して個人営業では、メリットを伝えるだけでなく感情に訴えかけるようなコミュニケーション能力や根気強さが求められます。また、無形商材は有形商材に比べて契約後のフォローも必要になってきます。まずこれらの観点から業種を絞り込んでいくと、入社後のミスマッチが少なくなるでしょう。
営業職は業界によって給与差が出る?
営業職は働く業界によって必要な知識やスキルが異なるため、給与に差が出てきます。深い専門知識が必要な医療関係の営業や医薬品メーカー、金融系の営業職は給与が高い傾向にあります。また、専門知識が必要な業界に関しては、資格取得などで手当てがもらえ、給与アップが図れることもあるため調べておきましょう。

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